eBird Newsより- eBirdに投稿された野鳥観察記録が10億件を超えました

By eBird Japan December 3, 2021
Australasian Swamphen Porphyrio melanotus

eBirdは、世界中のバードウォッチャーの経験と知識を集約し、集まった情報を共有することで、データに基づいた科学研究や保全活動、教育活動を促進するために、2002年に始まりました。この19年間で、eBirdは世界の何百ものパートナー団体、何千人ものボランティア、そして何十万人もの利用者が協力しあう、グローバルなコミュニティに成長しました。

そして2021年5月、コミュニティの皆さんの協力で、eBirdに投稿された野鳥観察記録数がついに10億件に達しました。10億件の観察記録は、202か国の、684,300人のeBird利用者が投稿した77,466,000件のチェックリストの累積であり、膨大な野鳥観察データになります。なお、10億件目の観察記録は、2021年のGlobal Big Day(世界一斉バードカウント)にHeidi Krajewskiさんがこのチェックリストで報告したオーストラリアセイケイ(Australasian Swamphen)でした。

コーネル大学鳥類学研究室のエグゼクティブ・ディレクターであるジョン・フィッツパトリック氏は「eBirdが10億件という節目を迎え、感無量です。私たちは19年前、バードウォッチャーのニーズと情熱を鳥の素晴らしい魅力と結びつけ、科学と自然保護、そして人々の参加を促進する希望に満ちた事業としてeBirdを始めました。eBirdは、世界で最も大規模な市民科学プロジェクトとなっています。この生物多様性データベースが拡大することで、地域に根ざした非常に重要な保全プロジェクトも世界中で増えています」と語ります。

eBirdのデータの持つ力

10億件の野鳥観察データは、大陸規模の鳥類の個体数についての、貴重な知見を提供する強力な情報源です。 eBirdの観察データは、学生や教育者、統計学者、コンピュータ・プログラマー、自然保護の政策立案者、自然資源の管理者など、世界中の人々に利用されています。

10億件の観察記録が、パートナーシップを、コミュニティを、科学研究を強化

コロンビアでは、多くのグループがeBirdのデータを利用して、さまざまなプロジェクトに役立てています。ボゴタにあるアレクサンダー・フォン・フンボルト研究所の研究員であり、eBirdコロンビアのパートナーであるリナ・サンチェス氏は、「eBirdは、コロンビアにおける鳥類データの主要なオープンソースとして急速に普及しました」と語ります。
「バードウォッチング・ツーリズムを推進したいと考えている地域コミュニティや、研究のためのデータを探している学生、より大きなスケールでデータを分析してモデル化したいと考えている団体など、さまざまな人が利用できます。」リナ・サンチェス(研究者、eBirdコロンビアのパートナー)

eBirdインドのパートナーであり、Nature Conservation Foundation Indiaのリサーチアソシエイトであるアシュウィン・ビスワナサンは「インドでは、2014年にeBirdが利用できるようになったことで、バードウォッチャーはようやく自分の野鳥リストを公開する機会を得て、より多くの知識に貢献できるようになり、最終的には『インドの鳥類の現状(State of India’s Birds , SoIB)』が完成しました」と言います。「全国規模でのSoIBのような成果は、eBirdのような技術インフラがなければ、広大で多様性のあるインドのような国では不可能でした」。

また、eBirdのデータを使ってインドの鳥類を初めて総合的に評価したところ、コサンショウクイ(Small Minivet)のような普通種の個体数が減少していることがわかりました。


eBirdは、来年で20周年を迎えます。
10億件の観察記録の達成には19年かかりましたが、今日のeBirdが利用されているペースであれば、あと4年後の2025年末には、20億件の観察を達成することができるのだそうです。
2021年11月にeBird Japanが始まり、ここから日本の観察記録が増えていくことで、20億件に到達する日もより近づくかもしれません。


*この記事は、ebird.orgのニュースからピックアップし、編集しました。記事の全文は、こちらをご覧ください(英文)。
eBird passes 1 billion bird observations